北九州市立 自然史・歴史博物館のギフトショップで買って来たもの。
シダの化石のように見えるものは、 堆積岩の割れ目からしみ出してきた液体からMnO2が析出したものの ようです。
このような樹枝状パタンは、溶液から結晶が析出する際によく見られ、 フラクタル構造をしています。
どのようにしてこのようなフラクタルパタンが自然界に現れるのかというのは、 非平衡統計力学の一つの興味深い問題です。
溶媒にとけた溶質など、結晶になる分子が遠方から拡散してきて、結晶 の種や既に結晶かしたものにであった時にそこにくっついて、新たに結晶の一部 になるということを繰り返して、枝状の結晶か成長するというモデルです。
その場合、 上の写真のようなしのぶ石では、結晶になる物質が主に上方から拡散してきて、 結晶にくっついて結晶が成長したことになります。
しかし、このしのぶ石の構造を見ると、下の方の横方向に走った直線状の割れ目 から物質が染み出して結晶化しているように見えます。
また、酢酸カルシウムの水溶液から成長するアラゴナイトの結晶(下の写真) のよ うに、溶液から空中に向かって樹枝状結晶が成長するような現象もあり、その場 合には、結晶になる物質が根本の方から結晶中を伝わって枝の先に向かって供給 されて、樹枝状結晶が成長しているようです。
そのような場合のモデル化を、4年生の特別研究で試み、計算機でシミュレーショ ンしてもらったのがこの図です。
石の上に成長したアラゴナイトの結晶 |
シミュレーション結果 (武井君, 2005年特研生) |