講師: | 西森 拓 (広島大学・理・数理分子生命理学専攻) |
日時: | 5月28日(火)15:00より |
場所: |
物理学科第三講義室 (2249号室) (九州大学 箱崎キャンパス 理学部2号館2階) |
実験では、トビイロケアリの採餌行動が、これまで広く知られている、化学走 性だけでなく、視覚情報や記憶にも依拠し、これら複数の因子の精妙な組み合わ せで行動決定を行っていることが分かってきた。
また、数理モデルでは、アリの化学走性にゆらぎ(エラー)の効果を付与し、採 餌効率とゆらぎの関係を調べた。その結果、給餌環境に応じて、「最適集団採餌 戦略」が、同等のエラーをもった「一様集団戦略」から、高いエラー率をもった アリとエラーがほとんどないアリからなる「2極分化戦略」に鋭く転移すること がわかった。
以上の結果について、解析や解釈も含めて説明していきたい。